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ケーススタディ

東京医科歯科大学医学部附属病院
Coronis Unitiでデジタルマンモグラフィ画像観察をサポート

インタビューご協力者 国立大学法人 東京医科歯科大学医学部附属病院様
放射線診断科 准教授 久保田 一徳 様

東京医科歯科大学医学部附属病院では、2018年に「Coronis Uniti (MDMC-12133)」、「Nio Color 5.8MP (MDNC-6121)」、「Coronis Fusion 4MP (MDCC-4330)」など、バルコの最新のテクノロジーが搭載されたディスプレイが導入され、画像観察ワークフローの効率化と精度向上に寄与している。 このCase Studyでは、バルコ製ディスプレイの有用性だけではなく、医用ディスプレイのあるべき姿などの課題を久保田医師に伺った。

東京医科歯科大学医学部附属病院は、医歯総合を目標にした臨床研究などが盛んに行われている国立大学法人東京医科歯科大学の医学部附属病院である。
「安全良質な高度・先進医療を提供しつづける、社会に開かれた病院」を理念に掲げ、難治性疾患にも積極的に対応すべく各分野のエキスパートが同院には集結し、年間約58万人の外来患者を41の診療科と28の中央診療施設で日々診療にあたっている。

フィルムと比較しても違和感がないバルコ製ディスプレイ

久保田医師がバルコ製品を知ったのは、フィルムレス移行時に導入したマンモグラフィ画像処理ワークステーションに、バルコの5Mモノクロディスプレイが採用されていたことがきっかけである。
デジタルマンモグラフィ画像表示用ディスプレイは、膨大なデータ量を有する画像の表示に耐え得る高解像度と、微細な病変を視認可能な高輝度・高コントラストを兼ね備える高い技術水準が要求される。
はじめてバルコ製ディスプレイを評価した時の印象を「輝度がしっかり出ており、コントラストも良好であり、フィルムと比較しても違和感がない」と久保田医師は振り返り、画像観察に耐え得ると評価した。

1画面表示により膨大な件数の画像を観察する医師をサポート

放射線科医は日々膨大な件数の画像を観察する必要に迫られている。加えて、難治性疾患への対応を図るべく先端医療を提供する同院においては、画像観察の効率化だけではなく精度の向上も喫緊の課題である。それらの課題に対応するために検討を進めたのが、1画面におけるマルチモダリティ表示を可能としたカラーディスプレイだ。
久保田医師は、CT/MRI画像表示が多い同院の環境とピクセルピッチの観点より、画像と文字情報双方の視認性が優れている4MPの解像度を持つディスプレイの比較を行った。これは1画面で2MPを2面並べたものと同等の解像度を有し、画像観察の効率を妨げる画面中央のベゼルをなくし、1画面で画像を表示することで画像観察の効率化と精度向上を実現するという特長を有している。
結果として「Coronis Fusion 4MP (MDCC-4330)」を含めた複数のメーカーの4MPディスプレイを導入し、久保田医師の期待通り放射線科医の画像観察を効率化させる効果を発揮。1画面でマルチモダリティ表示が可能な優位性を示した。

デジタルマンモグラフィ画像表示に最適なディスプレイとは?

久保田医師が次に検討を進めたのは、デジタルマンモグラフィ領域における画像観察の効率化と精度の向上だ。
従来の5Mモノクロディスプレイでは、微細な血液の流れを捉えるカラードップラーや、硬度計測を可視化するエラストグラフィといった超音波検査に生じるカラー画像を視認する際に、都度ビューワーをカラーディスプレイに移動させる手間が生じており、画像観察の妨げとなっていた。また、4MPディスプレイではデジタルマンモグラフィが持つ画像データを大幅に縮小表示せざるを得ない。そのため、新たな解決方法が必要となった。
これらの課題への対応を検討し、結果として導入されることとなったのが1画面で全てのモダリティが表示可能な12MPカラー液晶パネルを採用した「Coronis Uniti (MDMC-12133)」である。
ポイントとしては以下の4点である。

  • 目線を動かさずに一度に視認可能な画面サイズ(33インチ、アスペクト比3:2)
    目線を動かさないことで画像観察の疲労の軽減に繋げている。また、同院では画面サイズを活用し、週1回の乳腺カンファレンスでも活用。医療従事者におけるコミュニケーションのツールとしても活用されている。
  • 中間色の変化が視認しやすい「Steady Color」
    カラー画像表示においては、PET画像ではRainbow color scaleでカラー表示を行うが、GSDF階調や従来のカラー階調(Gamma 2.2)では、色調が濃くなる傾向がある。「Steady Color」技術はカラー階調をリニアに調整するものであり、「カラー階調が持つ中間色の変化がはっきりと識別できるようになり、視認しやすいことは重要である」と久保田医師は指摘している。
  • 低反射処理と鮮鋭度を向上させた独自の画面表面処理「Optical Grass」
    液晶パネルと画面の保護ガラスの間に樹脂材を注入し、光の乱反射を抑止する「Optical Grass」技術を採用。久保田医師は「通常のノングレアにおける画面処理では画面の反射は皆無だが、輝度・コントラスト感が不足する。一方で、グレア処理では反射が強く、部屋を暗室にする必要がある」「外光の映り込みを低減しつつ、しっかりとした表示輝度を担保し視認しやすくなることが重要」と指摘している。
  • 1,000cd/m2の推奨輝度を最大限に活かすApplication Appearance Manager™(以降「AAM」)
    キャリブレーション推奨輝度1,000cd/m2は、ある程度の環境光であれば画像の視認性への影響がなく、画像観察の精度向上に寄与していると評価する。一方で、CT/MRIなど必ずしも高輝度表示が必要ない画像を観察する際には、AAMで輝度を使い分けることが出来る。目に対する負担をより軽減できることは重要であると久保田医師は指摘している。

久保田医師「画質や機能だけではなく、コミュニケーションが活性化できる製品の開発に期待」

医用ディスプレイ導入によって、放射線科医の画像観察が効率化し、精度向上に繋がった。画質にも満足している。
しかし、医用ディスプレイが導入されたことにより、医師がディスプレイと向き合う姿勢となり、本来重視すべき患者や医療従事者同士のコミュニケーションが減少していないだろうか。医療の質の向上には、コミュニケーションの促進が必須である。例えば、設置場所を限定せず可搬性を向上させる設計、キーボード・マウスといった入力装置をフリーにする機能など、医師を机の前から解放するような医用ディスプレイの開発をメーカーには期待したい。