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ケーススタディ

石川県済生会金沢病院様
厳しい画質要求水準を満たし、画像観察をサポートする「Nio Color 5.8MP」

インタビューご協力者 石川県済生会金沢病院様
吉江 雄一 様(放射線部 医長)/ 五十嵐 哲郎 様(放射線部 技師長)/ 山本 仁美 様(放射線部 主任)

石川県済生会金沢病院では、2018年にマンモグラフィのフィルムレス化に伴い「Nio Color 5.8MP (MDNC-6121)」を石川県内の医療機関として初めて導入した。リニアカラー表示「Steady Color™」をはじめとしたバルコの最新テクノロジーが画像観察ワークフローの効率化と精度向上に寄与している。

石川県済生会金沢病院は、昭和11年金沢市本町において恩賜財団済生会金沢診療所として開設され、済生会創立の精神である『施薬救療』のもと、地域社会に密着した医療サービスを提供している医療機関である。
「愛と希望と信頼の医療を職員協同で提供し、地域に貢献する」を理念に掲げ、急性期医療から、がん緩和ケア、回復期リハビリテーション、地域包括ケアなどの回復期医療、在宅医療への連携まで、広範かつ緻密な医療サービスを提供している。

カラーディスプレイでもモノクロと遜色ない画質のバルコ製品

マンモグラフィは微細な病変部を視認しなければならない。そのため、医師の画像診断はもちろんのこと、画像を生成する撮影段階においても高い精度と技術が要求される分野である。また、画像観察の精度を担保する目的において、デジタルマンモグラフィ専用のワークステーションと画像表示ビューワー、5MP以上の高い解像度を持つディスプレイが必要とされるなど、使用機器の選定も慎重に行う必要がある。
そのような切迫感を持ち、五十嵐技師長はITEM in JRC 2017(国際医用画像総合展)に情報収集を行うべく足を運んだ。展示会場では数多くの製品が展示されていたが、バルコブースでは「Nio Color 5.8MP」と5MPモノクロディスプレイ「Nio 5MP LED」の比較展示がされており、思わず足を止めた。
カラーディスプレイは一般的にはモノクロディスプレイと比較して輝度の向上が技術的に困難である。これは、カラーフィルタがバックライトを減衰することで生じるものであり、高輝度が要求されるデジタルマンモグラフィ用途において、モノクロディスプレイが選択されるのはそのためだ。しかし、「Nio Color 5.8MP」はモノクロディスプレイと同等の輝度を実現していた。五十嵐技師長はカラーディスプレイの進化を感じるとともに、今後マンモグラフィ領域におけるカラー画像増加時の対応も鑑み、カラーディスプレイの検討を進めることにした。

画質の良さを際立たせ、高い没入感を得られる洗練されたデザイン

同院でディスプレイの比較を行ったのは2018年夏のことである。複数メーカーのディスプレイを比較し、バルコ製品が選択された。
吉江医長は石灰化か否かの判別が難しい病変部をしっかり描写することは、画像観察の精度向上と効率化の両面において重要であると考え、ディスプレイの評価を行った。その結果、「バルコ製品は黒が引き締まっており、石灰化が識別しやすい。また、鮮鋭度も高く、画質は良好だった」と振り返り、バルコ製品の導入に前向きな意向を持つようになる。
一方で、五十嵐技師長は画質の良さは期待通りだとした上で、展示会場で確認した時よりもベゼルが厚く、画像観察の妨げになるのではないかという懸念を抱いた。しかし、評価を繰り返すにつれ、画像に没入する感覚を覚えた。五十嵐技師長は「画質の良さはディスプレイそのものの性能だけではなく、ベゼルと画像表示エリアが一体的に処理されているデザインにある」と気が付き、「このデザインが、画質の良さを際立たせ、画像観察時に高い没入感に繋がっている」と評価した。

色差が画像観察に与える影響と、高精度キャリブレーションの重要性
導入後の評価はどうか。機器の日常管理を行っている山本技師は2つの留意点があると指摘する

1点目は保護カバーだ。「Nio Color 5.8MP」は画面前面を保護カバーで覆っている。保護カバーは非光沢画面と比較して少なからず鏡面反射する特性があることから、山本技師は視認性に対する懸念を抱いていた。しかし、バルコ独自の低反射コーティングが反射を抑制しており、使用する上で気になることはなく、むしろ保護カバー表面を拭き取り清掃するだけで手軽にメンテナンスが出来る点は、日常管理を効率的に行う上で重要であることに気が付いた。その点より、「導入前の比較検討ではメンテナンス性まで含めて評価した方が良い」と振り返る。
一方で、2点目の留意点として挙げたのは「色差」である。バルコ製品は出荷前に液晶パネルのロットや特性が近似している個体を組み合わせて出荷を行っている。しかし、液晶ディスプレイは経時変化し輝度劣化・色度変化が生じる特性があり、マルチディスプレイ間では個体による劣化の程度の差もあり、視覚的な差が生じてしまう。山本技師は使用日毎の目視確認を行っていることから、ディスプレイ間に色差が変化していることにいち早く気付き、これが乳腺の濃度の変化に影響している点に着目した。この時の左右の色差は日本国内の品質管理規格の基準範囲内であったが、画像観察の精度管理の観点より、カラー階調の補正と環境光を反映する高精度の「Steady Color™キャリブレーション」を行うことで解消を図った。山本技師は、この一連の経験より、「使用者は基準にとらわれず、色差が画像観察に与える影響を把握し運用した方が良い」と振り返り、機器選定時には色差解消を図る機能の重要性を指摘した。

吉江医長

画質は非常に優れており、画像観察の効率化という面では期待通りである。しかし、フィルムレス化により身体的な動きが減少したことから、目の疲れと肩こりを感じることが増えた。身体的な負荷を軽減する機構・機能の開発をメーカーには期待したい。

五十嵐技師長

画質は期待通りである。一方で、導入前はカラーデータを含む様々なモダリティを見ることを想定していたが、現時点ではOSなどのソフトウェアの制約により実現できていない。今後、ソフトウェアにおける改善があれば「Nio Color 5.8MP」の活用の幅は広がるため、改善を期待したい。

山本技師

画質面では「Nio Color 5.8MP」は十分だが、ディスプレイ間の色差抑制という観点からは、12MPディスプレイなど1画面で比較読影が可能なディスプレイの可能性を感じている。もう少し導入を検討しやすい価格帯になること期待したい。

吉江医長 / 五十嵐技師長 / 山本技師